子供の矯正歯科治療マニュアル

子供の矯正歯科治療<生まれる前>

不正咬合(悪い歯並び)の原因は?

不正咬合にはいろいろな原因があります。一般的に考えられるものは以下の原因です。

遺伝

歯並びは遺伝する傾向があると言われています。親の歯並びが悪いと必ず子供の歯並びも悪いわけではありませんが、歯の形や大きさ、歯質、顎の大きさ、顔の形などが遺伝する可能性は高いでしょう。

赤ちゃんの時におしゃぶりや指しゃぶりをしていた子は開咬(かいこう)になりやすいと言われています。これは本当でしょうか?

もちろん個人差はありますが、3歳頃までにやめることができればそんなに問題はないと思います。それ以降はやめさせる努力をしてあげてください。

写真は、開咬という症状です。上下の歯をかみ合わせた時に、前歯がかみ合わない症状を言います。

虫歯

乳歯が虫歯になって抜けてしまった場合、抜けた乳歯の後方の歯は徐々に前方に移動していきます。歯は、スペースがあればそちらに移動していくのです。そのため、抜けた乳歯の位置に生える予定だった永久歯は、後方から移動してきた歯によって空隙が足りなくなり、デコボコになってしまいます。

顎の大きさ

顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪いと不正咬合になります。こちらも遺伝と言えますが、小さい顎に大きな歯を親から受け継いだ場合、歯は収まりきらず、ガタガタになってしまいます。

写真は、叢生という症状です。乱杭歯とも呼ばれます。八重歯になるケースも多く、上下でかみ合わない歯があります。

妊婦とカルシウム

赤ちゃんの歯は、お母さんのお腹の中で作られることをご存じでしょうか。歯冠は生まれてから作られますが、歯の元になるものは、乳歯は妊娠7週〜10週頃、永久歯も早いもので妊娠4〜5カ月の頃から作られ始めます。

歯の元になるもの、それは歯胚(しはい)と呼ばれます。お母さんの食事から栄養をもらって、歯は徐々に作られていき、その途中段階で赤ちゃんはこの世に誕生します。誕生してからも歯は萌出に向けて準備をしていきます。

カルシウムは、歯胚を硬くする働きがあります。ですから、妊娠中にカルシウムを摂ることは、歯にとって非常に大切なことだと言えるのです。他にもタンパク質は、歯胚の材料になりますし、ビタミンはエナメル質や象牙質の基礎を作るのに必要です。

お腹の赤ちゃんの歯を強くするためにも、お母さんは栄養をたっぷり摂ることを心がけ、そして健康な赤ちゃんを産んでください。ただし、もちろん過剰に摂取するべきではありません。

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